『 Blink 』
さて、今回紹介する本は『 Blink 』です。
著者のMalcolm Gladwell(マルコルム・グラッドウェル)は、2000年に出版され日本でも話題になった『 The Tipping Point 』(あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間”について解説した本)の著者です。
グラッドウェルは、1996年より米NewYorker誌の専属ライターとして活躍し、2005年には、タイム誌で「影響力のある人100人」の1人に数えられたジャーナリストです。
この本では、2秒間で決定される第一印象の力について書かれています。
著者は、結婚や心臓発作患者の治療順序の選定、合コン、ゴルフコースでの圧迫感、車販売、軍事戦略など、多岐にわたるおもしろい事例を取りあげながら、直感的判断や読心術について焦点を当てています。
それら事例を通し、小さなことをよく考え、行動の表面の部分に注目せよ、と著者は説いています。
この瞬時の判断の鍵を握るのは「適応する無意識」。
これが危険を知らせたり、不審者を察知したり、新たな発想に反応する直感的情報をわたしたちに提供してくれると述べています。
また著者は、物事を即座に結論に結びつけることに対して警告をしています。
マーケティング担当者は、わたしたち消費者の第一印象を操作することもあるし、瞬間的な興奮が「精神的盲目状態」を導いたりすることを、「ウォーレン・ハーディング効果」(ハンサムだが無力な大統領に国民が投票をしてしまう。ウォーレン・ハーディングと
いうハンサムだが無力な大統領が昔いた)を事例に用いて、人は見てくれの印象に弱いということを説明しています。
瞬間的判断のミスが起こしたブロンクスでの悲惨なアマドゥ・ディアーロ射殺事件(1999年、アフリカ人交換留学生アマドゥ・ディアーロが、自宅アパート前で張り込みをしていた4人の警官によって41発の一斉射撃を受けて死亡した事件。ディアーロが胸から取り
出した財布を警官が拳銃と勘違いしたのが原因)を例に出して、直感のダークサイドについて印象的に述べています。
「直感力が重要なのはわかった。だけど、直感を鍛えることはできるの?」と思う方もいるかもしれません。
この本では、いちかばちかになってしまう瞬時の判断の質を高めるトレーニングについても解説しています。
今年大ヒットの本『鈍感力』(渡辺淳一著)と併読して、「直観力」と「鈍感力」を併せ持つようになったらおもしろいでしょうね。







