今週の気になるマガジンレビュー
ちょっと気になるトレンドを、編集部がピックアップ。おもしろ・まじめに語ります

« 2008年5月 | メイン | 2008年7月 »

2008年6月 バックナンバー

2008年6月 5日

父の日ギフト特集

[AERA]
マガ出典雑誌/6月15日の父の日に先駆けて、6月3日に『ベスト・ファーザー イエローリボン賞』の授賞式が開催された。これは、「今年の最も素敵なパパ」に贈られる賞。今年は作家の石田衣良氏、俳優の中村トオル氏などなど、5人の著名人が選ばれた。
さてさて......そんな全国区的に素敵なパパはちょっと横に置いておくことにして、問題は残り2週間を切った父の日に贈る、実父へのプレゼント選びではないだろうか。

今回紹介するのは、「父の日の贈り物」と題された特集記事。実は記事広告なのだが、これを機会にちょっと父の日について考えてみては如何だろう。

そもそも、父の日ってなんか目立たない、と思っている読者も多いのではなかろうか。それもそのはず、元々父の日は「母の日があるのに何故父の日がないの?」と思ったアメリカ人女性によって今から100年ほど前に制定を提唱され、日本で一般的な行事となったのは1980年代。まだまだ歴史の浅い行事なのである。

特集中のエッセイで、作家・エッセイストの馬場啓一氏はこう言う。

「なぜならば父の日にどうしたらなんて、誰も教えてくれなかった」

「母の日がカーネーションなら、父の日はチューリップとか、誰かが考えてくれたらよかったのに」

たしかに! と膝を打ちたくならないだろうか。一応「父の日はバラ」なんていう定義はあるらしいけれど、カーネーションほどメジャーではないし、そもそも父親に花束ってどうなんだ、と思ってしまう自分もいる。

ちなみに特集で紹介されているプレゼントはポロシャツ。ピンクやブルーなど敢えて若々しい色がセレクトされている。

まあ洋服はハードルが高いとして、今年は思い切って父親に「父の日何か欲しいものある?」なんて聞いてみてはどうだろう。父と息子、せっかく同性同士なのだから、欲しいものさえ特定できれば異性である母親よりもずっと好みのもの贈ることができるはず。

今年は父の日、真剣に考えてみませんか?

それにほら、貴方のお父さんにベスト・ファーザー賞を贈れるのは貴方しかいないのですから......ね。

當間光沙

2008年6月10日

1ℓ=200円時代寸前、『ガソリン絶望列島』怒りの縦断レポ

[週刊プレイボーイ]
マガ出典雑誌/ついこの間まで「ガソリンがついに1ℓ=140円に!」なんて騒がれていたのに、6月に入りついに1ℓ=170円以上になってしまいました。以前は、投機による値上がりだから近いうちに落ち着くという意見もありましたが、専門家たちの間では値上がりこそすれども下がることはないという見方が多いようです。今週の週刊プレイボーイ(集英社)の「1ℓ=200円時代寸前、『ガソリン絶望列島』怒りの縦断レポ」では、急激なガソリン価格の高騰に苦しむ人々の嘆きが掲載されていました。

ガソリン価格高騰でまずダメージを受けるのが、ガソリンそのものを売るガソリンスタンド(以下、GS)。規模が小さい個人経営のGSや、過疎地域のGSは特に被害が大きく、これらの店舗を中心に倒産の連鎖が懸念されています。

また、ロードサイド型の飲食店や売店も"二次被害"を受けているそうです。自動車が使われない様になればお客も来なくなり、当然店の売り上げもダウンします。変わった所では、遠路はるばるやってくる"ワケあり"なお客の多いラブホテルも大きな被害を受けているのだとか......。

う~ん、ガソリン高騰による被害はやはり深刻な様です。しかし、ガソリンの値上がりは当面続く様なので、いっそのことガソリンの値下がりを祈るのではなく、ガソリンに頼らなくても良い社会を目指せば良いのではないでしょうか? 既にそうした動きは始まっていて、最近は通勤に自動車ではなく、自転車を使う人が増えているようです。通勤途中に汗をかく彼らを狙って、シャワーだけを貸し出すスポーツジムもできているのだとか。また、ビニールハウスで栽培した野菜や、輸入された野菜が高くなったことで、消費地域に近い場所で作られた旬の野菜を買う人も多くなっているそうです。

ガソリンの高騰を嘆くのは簡単ですが、これを機にガソリンに依存しない社会を作っていきたいものですね。


吉田隼人

2008年6月19日

自転車青春ストーリー

[ダ・ヴィンチ]
マガ出典雑誌/近頃、自転車がアツいということをご存知だろうか。
「え? どこで?」と首を傾げるあなた。最近、本を読んでいないのでは?
自転車がアツい場所。それは、近藤史恵作『サクリファイス』をきっかけに密かなる自転車ブームを巻き起こしている、文芸界なのである。

自転車――それは「この世で最も美しく、効率的な乗り物」(『サクリファイス』8ページ)。前へ進むのに燃料はいらない。必要なのはペダルを漕ぐ二本の足、ただそれだけ。それゆえに、「あるときは、毎日のたったひとりの相棒として、遠くへ旅立つときのパートナーとして」、そう、青春の乗り物として作品内に登場することが多いのだ。
というわけでこの記事では「自転車青春ストーリー」と題して、数多くの自転車小説を紹介している。

記事は二部構成で、まず初めに前述した『サクリファイス』の作者、近藤史恵のインタビュー記事が掲載され、次に見開きページを使い「速度別自転車ブックガイド」と称した自転車小説紹介が載っている。

戦略命だという自転車競技を著者がミステリー的に捉えて生まれたという『サクリファイス』も是非読んでみたいところだけれど、自他共に認める非アクティブ人間な上にどこかで神経が途切れているんじゃないかと疑いたくなるくらい運動音痴な私は、個人的にブックガイドをオススメ。
速度別、という看板に偽りなく、「時速0キロ=ご近所」「時速30キロ=旅」「時速80キロ=レース」と作品内に登場する自転車の使われ方に注目しカテゴライズされたこの特集。小説だけでなく漫画も取り上げられているから、活字はちょっとというあなたにもきっとぴったりな一冊が見つかるはず。

免許もいらない、お金もいらない。距離もスピードも全てが自分次第、そんな手軽でストイックな自転車。
とりあえず今度の休日は、久々に愛車を取り出して本屋へゴー! ......なんてどうでしょう。
當間光沙

2008年6月25日

流動性に乏しい労働市場にこそ改革を

[東洋経済]
マガ出典雑誌/年金システムの崩壊や、労働力不足の原因とされる少子高齢化。その解決策として、移民の受け入れを求める声が上がっており、1000万人の移民受け入れを提言した議員連盟もあるようです。

人手の足りない福祉業界にフィリピン人の看護師を受け入れて、お年寄りの生活を助ける......等の意見を聞くと、「どんどん受け入れてしまえば良いのでは?」とも思えます。 しかし、今週の「東洋経済」の「流動性に乏しい労働市場にこそ改革を」では、城繁幸氏が単純な移民受け入れ政策に否を唱え、それに代わる労働市場の改革案を主張しています。

城繁幸氏は移民受け入れに伴う公教育、福祉等の社会インフラの整備にかかる、莫大なコストの問題点を指摘、さらに、日本特有の言語の壁や労働市場の閉鎖性の強さによる、移民と日本人の間の極端な格差についても言及しています。

確かに今の日本では、日本語以外でもコミュニケーションが円滑にとれる企業というのかなり少ない気がしますね。

最後に同氏は、まず労働市場の流動性を高めることにより、労働力の効率化を進め、世帯当たりの所得引上げを実現すべきだと主張しています。

人口が減るから移民を入れよう、というのは確かに分かりやすいですが、やはり慎重に考える必要があると思います。

昔から民族の入り替わりが激しかったドイツやフランスといった国ですら、移民たちの貧困や、民族間の格差が問題となっています。移民という形で一度に多くの外国人を受け入れたことの無い日本では、それらの国々よりも問題がより大きくなるかもしれません。

現代は、世界の優秀な人間は国籍を問わず集めなければ、企業も生き残れない時代だとよく言われます。でも、国内の労働力が減ったから海外から集める、といった安易な手段を取る前に、日本の労働力の量と質を上げる工夫をもっと考えたいものですね。
吉田隼人