「お子様社員」のしつけ方
[読売ウィークリー]
「お子様社員」――自分本位。協調性を欠く。やたら態度が大きい。めっぽう打たれ弱い。
最近の若手社員に増えてきている傾向である。相手に合わせるのが苦手で、自分が気持ち良いかどうかを何より大切にする。そんな社員たちと一体どうやって付き合っていけばよいのかを、上司目線で考えたのが今回の記事である。そもそも、こんなお子様社員がどうして生まれてしまったのか? そもそもの原因は、彼らが赤ん坊の頃に母親たちがこぞって買い求めた育児雑誌にあるという。当時、出版業界サイドでも育児雑誌創刊が流行になっており、内容はほぼ同一と言ってもよかった。それは、「子どもには、無理や我慢をさせたり、頑張らせてストレスを与えるより、その子なりのペースを大切にして育てるべき」という考え方だった。母親たちはこれに従い、そして彼が就学期を迎えたとき、今度は教育現場に変化が起こった。個性の重視を謳った新学習指導要領の策定や、92年からの指導要録改訂、そして相対評価から絶対評価への移行だ。 彼らは個人の尊重ばかり強調されて育ったために、周囲の人々との関係で自分を相対的に捉えるのが苦手になってしまったのだ。
この記事が特徴的なのは、そんな「お子様社員」に渇を入れるのではなく、いかになだめすかしながら離職されぬよう接していくかを検討していることだ。 提案されているのは、上司が直接彼らを指導するのではなくて、新入社員よりも少し年上の世代を仲介役の「兄貴」として置き、彼らに公私共に指導をさせること。これはコンサルティング会社が企業に人事制度を設けるときにもよく提案されている方法である。 離職しないように、腫れ物に触るかのように若手社員を扱う。若手社員にとっては過ごしやすい環境が作られているのかもしれないが、果たしてそれが彼らのためになるかどうかは少々疑問だ。 つまりは、もう誰も大人になった彼らを戒めてくれる人はいないということ。彼らの成長を促すために労力を割く気はないのだろう。
会社がお子様だらけの「保育所」になる日も近いんではなかろうか。
當間光沙




