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不思議図書館「著者からのメッセージ」

[読売ウィークリー]
マガ出典雑誌/今週の読売ウィークリーは、案の定15ページぶち抜きで安倍辞任について。
力の入ったそのページを敢えてスルーして、今回紹介したいのは連載企画「不思議図書館」。どんなに世間が騒がしかろうと物騒だろうと、いつでも決まったページ数で読者を待っていてくれるこういう記事を見ると、私はなんだかほっとするのだけれども……どうだろう。

タイトルから想像される通り、この連載では毎回様々なトピックを立てて本紹介を行っている。
その中でも読み応えがあるのが「著者からのメッセージ」というトピック。一冊の本を取り上げ、その著者に執筆のバックグラウンドを聞くインタビュー記事だ。 今回取り上げられているのは『ミサイルマン』という一冊で、著者は平山夢明氏。彼は長い下積み時代を経て、2007年に「このミステリーがすごい!」一位を獲得。その後大ブレイクしたホラー小説家である。

このインタビューの中で、印象に残ったのが「難しいよ、この商売。饅頭屋と違って、前と同じの作ると怒られるもん」という台詞。軽い口調だが、筆一本で食べている作家の言葉だと思うと重みが感じられる。
彼は決して順調な執筆活動を続けてきた作家ではなく、スランプが二年以上続いたり、プレッシャーのため“書けない病”になったりと、紆余曲折を経て今の地位にたどり着いた。

こうして作家の口を通して聞くと、物語一つ生み出すのは大変なことなんだな……と改めて感じる。
本屋や図書館に並ぶ完成品の数々を眺めていると、作家というものは次々に溢れ出るアイディアの泉のようなものを持っていて、それを文章に起こす才能を持った人たちなのではないかと思うことがある。
しかし実際は、彼のように「殺しの山場は筆が止まるんだよ。2日くらい寝ずに頭で練り抜く」と、悩み苦しみながら筆を進める作家が数多く存在するのだ。

そう考えると、普段はさらりと「速読」してしまっている小説も、作者に敬意を払ってじっくり読んでみようという気になってくる。
せっかく読書の秋でもあるし、たまには現実を忘れてどっぷりと物語世界に遊んでみるのもいいかもしれない。
當間光沙
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