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病人を見殺しにするアメリカの医療制度

[週刊現代]
マガ出典雑誌/「華氏911」で、ブッシュ大統領の起こしたイラク戦争をして、一躍有名になったマイケル・ムーア監督が新たな社会派映画を製作したみたいですね。「週刊現代」(講談社)の記事『病人を見殺しにするアメリカの医療制度はビョーキだ』によると、ムーア監督が今回取り扱ったテーマはアメリカの医療保険。アメリカには国民全員が加入している医療保険が無いのはよく知られているのですが、ムーア監督は今回の作品で、既存の医療保険制度の病理を暴いています。

アメリカには民間企業の医療保険しかなく、HMO(health maintenance organization:健康維持機構)というシステムで、保険会社が医師への報酬を支払うことにより医療の内容を管理できるようになっています。医師はHMOから基本給をもらい、さらには投薬や治療を拒否すれば「保険会社の支出を減らした」と評価されて奨励金をもらえるのです。この仕組みによって、治療拒否が乱発しているんだとか。

さらにはHMOに加入しようと申し込むと病歴を全て書かされ、病気にかかりやすいとみなされると加入できないそうです。かといって、病歴を隠していたら契約は無効になります。病気にかかりやすい人ほど保険に入りにくくなっているんですね。

あらゆる分野で政府による管理が最小限に抑えられ、医療保険までも民営化されているアメリカは、決して病人に優しい国ではないようです。

そして、これは決してアメリカだけの話とは限りませんよ。先にあげたアメリカの保険業界は、アメリカ政府に対して強い力を持っているんです。その気になれば、アメリカ政府を動かして日本に健康保険の民営化を要請する……なんてことも十分ありえるわけですね。もしそうなったら日本もアメリカの様に、おちおち風邪も引けない国になってしまうかもしれません。怖いですね。

 どんなことでも民営化すれば、効率が良くなってうまくいく様な論調が強い今の日本。でも国民の暮らしの命綱である医療保険を運営するのは、国家の義務なんじゃないでしょうか?
吉田隼人
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