新『一般職』はハイパーOL
[AERA]
『茶を入れられればやっていける時代は終わった』こんな言葉を聞いたのは、どれくらい前のことだっただろうか。制服を着て『職場の花』というように見られ、社員に頼まれてコピーをとったり、お茶を出したり、書類を整理したり……自分は会社に勤めているわけではないけれど、それでも何となくイメージの浮かぶ、テレビドラマとかで見かけるそんな女性の存在。今まで知らなかったが、『一般職』という呼び方があるらしい。『総合職』という分類に対してされる呼び方で、補助的な業務を行う職、というのが簡単なイメージである。
それにしても、コピー、お茶汲み、書類整理……とは、随分と楽そうな仕事ではないか。実際、昔は、アシスタント的な仕事を主とし、職場の花と呼ばれ、結婚したら退社することを前提にやっている『腰掛け』のような位置づけ、そういった雰囲気があったらしい。 そんな一般職のありかたは、『茶を入れればやっていける』と皮肉られ、そして『そんな時代は終わった』と否定された。そして時はたち、再び注目を集めだした『一般職』は、選ばれたハイパーOLのみがなる事を許される、事務処理に関しては誰よりもチームワークを意識し、高度なコミュニケーションを必要とする『新』一般職へと進化していた。
例えば、伊藤忠商事と丸紅の二社は九年ぶりに一般職の雇用を行ったが、求められたのは『職場の花』ではなく、『長期勤務で習熟した技能を持ち、事務処理面でのリーダー』だった。
サポート能力・コミュニケーション能力に優れ、メンバーの能力を最大限に引き出せる場を作り、チームを引き立てる。転勤はなくても、それはバリバリ働いてないのではなくて、自分の場所を、チームを一途に守っているということ。『制服』や『若さ』といった露骨な魅力よりも、この新『一般職』の内から来る魅力の方が、よっぽど魅力的じゃないか……なんてことを思う。
新しい『職場の花』は、見てきれいなだけでなく、蝶のように立ち回り、会社の業績にも花を咲かせてくれる、必要不可欠な人材なのかも知れない。
野中 潔




