仕事がデキる人の“捨てる英語術”
TOEICテストがダメなあの人が、仕事で英語をバリバリ使える理由

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2007年11月 バックナンバー

2007年11月28日

20. スピーキングには三つの種類がある

前回のエントリーをご覧いただけばわかるように、スピーキングには、二つの能力が必要とされます。まず、一つは、スピーディーに決まり文句を使いこなす能力です。そして、もう一つが、文章を組み立てる能力です。この二つのうち、どちらの能力が必要とされるかと言うのは、どのように外国語を使うかによってかなり変わってきます。そのため、今回は、関口一郎『「学ぶ」から「使う」外国語へ』(集英社新書)に基づき会話を三タイプに分類することで、どのような時にどのような能力が必要とされるかを見ていきたいと思います。

まず一つ目のタイプは、旅行会話です。上記の本で、著者は旅行会話を、誰かのうちに招待された時に、「ホテルを出てから相手の家にたどりつくまでに最低限必要」な会話だと定義しています。具体的には、切符を買ったり、道を尋ねたり、お土産を買うときに必要とされる会話能力のことです。このような会話では、会話のパターンが決まっているので、文章を組み立てる能力はそれほど必要とされません。基本的には、スピーディーに決まり文句を使いこなす能力があれば十分だと言えます。

二つ目の会話は、社交会話です。社交会話とは、相手の家にたどり着いた後で、ホストや相手の家の家族やその友人と交わす言葉のことです。飲み物を聞かれて自分が飲みたい物を伝えることや、相手に料理の感想を聞かれたりして答えることなどが、社交会話に入ります。この場合も、基本的には用いられる言葉が定式化しているので、スピーディーに決まり文句を使いこなす能力があれば十分です。

三つ目の会話は、コミュニケーション会話で、これを著者は“食事が終わってからの「会話」”と定義しています。ここでの会話は、様々な分野にわたり、それまでのように「状況に適したキーセンテンスをそのまま返球」してればいいというわけにはいきません。この場合には、スピーディーに決まり文句を使いこなす能力に加えて、自分が言いたいことを表すための文章を組み立てる能力が必要になってくるのです。

このように、一口に会話と言っても、状況によって必要とされる能力がかなり変わってくるのがわかると思います。では、ビジネス会話は、この三つのうちどの能力が必要されるのでしょうか?一般的に、ビジネス会話には、社交会話の能力とコミュニケーション会話の能力が必要とされます。例えば、取引先とあって世間話をしたり、電話の受け答えをするのに必要なのは、社交会話です。それに対して、実際に取引の話になって交渉を行う際には、コミュニケーション会話の能力が必要とされます。では、この二つの能力のうち、どちらを先に身につければいいのでしょうか?次回は、それを見ていきましょう。

2007年11月21日

19. スピーキングとライティングの違い 2

前回見たように、スピーキングとライティングの違いは、必要とされるスピードにあります。会話の流れを流暢に進めるために、スピーキングの際は、ライティングと比べて、圧倒的に速い速度で文章をアウトプットする必要があるのです。そして、このことが、スピーキングの二つ目の特徴を形作っています。それは、スピーキングには、決まり文句が多いということです。

会話を成立させるためには、相手が言っていることを理解しつつ、その流れにあった文章を秒単位でアウトプットしていかないといけません。このようなスピードについていくためには、文章をいちから考えてアウトプットしていると時間遅れになってしまいます。そのため、スピーキングでは、決まり文句を多用することによって、時間的な制約から逃れているのです。

これは、特に旅行会話のように、ある一定のシチュエーションの中で会話を行う際に顕著です。例えば、あなたが旅先で知り合った人と自己紹介をする場合を想像してみてください。おそらく、Hi, how are you? My name is Inoue. I’m from Japan. Nice to meet you.のようにほぼ決まり文句で会話は進行していくと思います。また、それ以外に、ネイティブスピーカー同士の日常会話でも、You know what?・kind of・I’m telling you.のような決まり文句が大量に使われています。

もちろん、スピーキングでも、自分であらたに文章を作り出していく必要がないと言うわけではありません。例えばスピーチを行う際のように、時間に余裕がある時は、ある程度考えながら文章を組み立てていく事ができます。しかし、そのときでも、It seems to me that(…のように思える)・First of all(最初に)・It is generally believed that(一般的に…だと思われている)のように決まり文句を使いつつ文章を組み立てているのです。

このような決まり文句の多用、それが書き言葉にはない話し言葉の特徴だと言えるでしょう。

2007年11月13日

18. スピーキングとライティングの違い1

英語を勉強している日本人が一番苦手としていること、それはおそらくスピーキングだと思います。僕が教えている学校でも、スピーキングが苦手なので、最初のうちは日本人の先生と英語で話すことで少しずつ英語になれていき、そのあとでネイティブの先生と話したいと言う方も結構います。
また、TOEIC高得点の方でも、英語でプレゼンをするとなると不安を覚える方も多いと思います。
このように、日本人は全般的に英語のスピーキングがあまり得意ではありません。

では、なぜこのように多くの方がスピーキングで苦労しているのでしょうか?
それは、多くの方が、スピーキング能力を上達させるための明確な方法論を理解していないからです。ですから、今回はまず、「スピーキングとはどんなものなのか」を理論的に分析した上で、どうしたらスピーキングがうまくなれるのかを具体的にみていきたいと思います。

外国語の本を読んでいると、よくスピーキングがライティングに例えられている事があります。確かにライティングもスピーキングも、自分から文章をアウトプットするという点では共通しています。ですから、外国語の先生の中には、スピーキングがうまくなりたければライティングを練習すればいいという人がいます。

しかし、これは間違いです。冷静に考えれば、人を感動させる文章を書くプロである作家だからといって、必ずしもスピーチが得意なわけではないですし、また当意即妙の話術で人を笑わせるお笑い芸人の書いたエッセイが常に面白いというわけでもありません。ライティングとスピーキングの技術は、確かに重なり合う部分も大きいですが、必ずしもイコールではないのです。

では、ライティングとスピーキングの違いはどこにあるのでしょうか?実は、その差はスピードにあるのです。考えながら文章を作り出していく事ができるライティングと異なり、スピーキングの場合は話の流れを乱すことなく短期間のうちにスピーディーに文章を作り出していく能力が必要とされるのです。

そして、このスピードの特徴を理解する事こそが、スピーキング力向上の鍵になるのです。