仕事がデキる人の“捨てる英語術”
TOEICテストがダメなあの人が、仕事で英語をバリバリ使える理由

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9. TOEICで測定されるのはTOEIC力

このところ、何回か続けてTOEICとはどういったテストなのかを説明する記事を書いてきましたが、そのまとめとして今回は“そもそもテストとは何なのか”という記事を書いていきたいと思います。

さて、最近勉強法に関する本が流行っていますが、そこに書かれている英語の勉強法のほとんどがTOEICをはじめとしたテストに対してどうやって対策をするかということを目的にしています。確かに、勉強をしていても英語がどれだけ身についたかというのはなかなか自分ではわからないので、テストをものさしとして自分の勉強の進み具合を確認するというのは、非常に効率的な勉強の進め方と言えます。しかし、このような勉強の進め方には一つ盲点があります。それは、テストで測られる英語力は、必ずしも自分が実際に仕事やプライベートで使いたい英語力と一致するとは限らないということです。

子供のころからテストというものにならされているせいか、私たちはついついテストというものを無条件で正しいものだと思い込んでしまいがちです。そのため、テストの点数はそのままその人の英語力を表していて、テストの点数が高ければ高いほど英語ができると考えてしまいがちです。

しかし、実はこの考え方は正しくありません。なぜかというと、今まで見てきたように、英語を使う場面によって必要とされる英語力が変わってくるからです。言い換えれば、英語力というのは一つではないのです。

テストに慣れていると、何か真の英語力というものが一つ存在して、それがそのままテストの点数に反映されていると考えがちです。しかし、実際にはどのように英語を使うかによって英語力の定義は変わってきますし、そして英語の使い方は英語を勉強している人の数だけ存在します。言い換えれば、英語力の定義というのは、事実上無数にあるわけです。

しかし、テスト時間は有限なので、状況に応じたすべての英語力をテストすることはできません。そのため、テストの開発者は最初に理想とする英語力を定義し、そしてそれに基づいてテストの方法を決めていくわけです。というのはどういうことかというと、それぞれのテストの点数でわかるのは、あくまでそのテストの作成者が理想とする英語力に自分の英語力がどれだけ近づいたかということに過ぎないということです。

もちろん、だからといって、TOEICや英検のような資格にむけて勉強するという事が無意味なわけではありません。これらの試験の点数は、英語の基礎知識の有無をかなり正確に判定していますし、これらの試験に向けて対策することによって、仕事で英語を使うために必要な基礎力を偏りなく養成できるということも事実です。では、何が問題なのかというと、TOEICや英検といった資格試験の点数を絶対視するあまり、点数を上げること自体が目的になるという本末転倒が起こっていることが問題なのです。

資格の試験で測定されるのは、その試験を作った人が理想とされる英語力に過ぎません。言い換えれば、TOEICの点数でわかるのはあくまでTOEIC力であって、実際に自分で英語を使う場面で必要な英語力が身についたかどうかではないのです。そこを勘違いしないようにしましょう。


今週のまとめ
試験で測定されるのは、あくまで作成者の理想の英語力。自分の理想の英語力ではないことに注意しよう。

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プロフィール

井上大輔(いのうえ・だいすけ)

大学院時代に英語講師を始め、現在は日米英語学院やELSなどで、学生から社会人まで様々な層に英語を教える。大学院卒業後、語学を使った起業を志し、その際に仕事で英語を使うということについて真剣に向かい合うようになり、その結果従来の「英語はできればできるほどいい」という考え方に対するアンチテーゼとしての「捨てる英語術」を思いつく。現在は、大学院時代の専門であったフランス語の語学参考書の執筆にいそしみつつ、ビジネスマンが洋書を効率よく読めるようになるためのプログラムを考案中。

・早稲田大学英文学科卒業、早稲田大学文学研究科仏文修士
・資格 TOEIC 980
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