3. 現在の語学力を仕事に生かす
前回のエントリーで、“仕事で英語を使えるようになるためにも、「英語はできればできるほどいい」という考え方は、今日で捨て去ってしまいましょう。”と書きました。しかし、「そうは言っても、やはり英語力がないと。英語で仕事を使うことはできないんじゃないか?」と思っている方も多いと思います。
なので、今回は専門ではないイタリア語をどうやってビジネスに結び付けたかという僕自身の実例を見ていくことで、現在の語学力を仕事に生かすための方法について見て行きたいと思います。
さて、プロフィールに早稲田大学英文学科卒業、早稲田大学文学研究科仏文修士とあるように、僕自身の専門は英語とフランス語です。イタリア語はイタリア語検定3級を持ってはいるものの、専門というには程遠い内容でした。しかし、今回ある出版社からでているイタリア語の単語集の改訂版を作る仕事を受注することができました。
通常、このような語学の本というのは、その言語の専門家が作るものです。それを、なぜイタリア語検定3級の僕が作成を担当できるようになったのでしょうか。それには二つの理由があります。それを、これから見ていきましょう。
まず、一つ目の理由としては、今回の仕事にはそれほど語学力が必要とされないということがあります。今回の僕が引き受けることになった本は、今まで出していた本の改訂版を作る作業です。そのため、一から本を作る場合と違って、単語を一から調べたりする必要はありません。基本的には、今までの本のミスを探す+新しく追加された語句を辞書で調べていくだけです。ですから、それほど高い語学力は必要とされないのです。もし新しく本を一から作るのであれば、編集部の方も他の方に依頼したでしょうし、またそもそも僕自身も引き受けていませんでした。
二つ目の理由としては、今回の改定作業で必要とされる仕事をこなすだけの本の作成スキルがあったということが上げられます。実は、今回イタリア語単語集の改訂を担当する前に、同じ出版社からフランス語の単語集の改定作業を行う依頼を受けていたのですが、それは一ヶ月という短期間で仕上げていました。それが「この人は、改定作業を行うだけのスキルを持っている」という評価につながりました。そのため、イタリア語の方の改定も作業も引き受けさせてくれないかと頼んだときにも、気持ちよく了承をいただきました。
以上のことからわかるように、仕事で語学を使うためには、必ずしも高い語学力は必要ないのです。もちろん、高い語学力があれば、その分だけ仕事の幅は広くなります。しかし、一方で現在の語学力のまま行うことのできる仕事もたくさんあると思います。勉強を始める前に、まず自分の今の能力でできる仕事はないかを探してみるようにしましょう。
また、それと同時に、今まで培った仕事のスキルを生かすことで語学力の不足を補うことができるということもわかると思います。英語以外の言語の場合、最初の段階ではワードにフランス語のスペルチック機能が入っていないこともあり、市販されている語学書のなかにもスペルミスがあるものがしばしば見受けられます。そういったスペルミスをなくすため、今回フランス語の単語集の改定作業を行う際には、open officeというワープロソフトをダウンロードしてスペルチェックを行ったのですが、その時にこのソフトを使うことで「自分は、イタリア語でもスペルミスのない本を作るスキル」があるということに気づきました。このスキルのおかげで、「現在の自分のイタリア語力でも改定作業を行うことはできる」という自信がついたからこそ、イタリア語の改定作業を引き受けたいという申し出をすることができたのです。
今回のビジネス悩み相談のコーナーに“(独立するためには)資格ではなく「その資格を活かして儲けるにはどうすればいいのか”を考える必要があるとありましたが、それは仕事で英語を使っている人にも当てはまります。実は、仕事で英語を使う上で一番大切なのは、「勉強して英語ができるようになったら仕事で使おう」という姿勢から「今の英語力でできる仕事をやろう」という姿勢に考え方をシフトさせることなのです。そして、そうやって仕事の中で英語を使っていれば、自然と英語力が身についてきます。そうすれば、自然と英語を使ってできる仕事の幅が広まってきます。
→[ビジトレ該当ページ]
最近勉強方法を書いた本が流行っています。もちろん、レベルの高いスキルを身につけるためには、体系的な勉強を行うことはかかせません。しかし、社会人の場合、実は仕事そのものが一番実践的な勉強方法であるというのもまた事実です。英語を仕事で使えるようになるためにも、自分にできる仕事で実践的な英語力を身につけ、TOEICの試験対策などをすることでそれをさらにブラッシュアップし、その結果高まった英語力をさらに仕事で生かすという正のサイクルを打ちたてるようにしましょう。
今回のまとめ
社会人にとっては、仕事そのものが一番実践的な勉強方法!







