5. エグザマンとコンクールの違い
-TOEICと上手に付き合うための基礎知識1-
突然ですが、このブログを見ているそこのあなた、TOEICにカモられていませんか。
現在英語学習者の間で人気を博しているTOEICですが、その受験者の多くはTOEICで高得点を取ることのみに目を奪われ、そこで測定される英語力がどのようなものかということは考えていないようです。そのため、多くの人がTOEICのスコアアップを追い求めるあまり、TOEIC産業のいいカモとなっています。カモられずに上手にTOEICと付き合うためにも、ここでTOEICの基本的な性質について学んでいきましょう。
さて、突然ですが、フランス語では日本の試験に当たる単語が二つ存在するのをご存知でしょうか?一つは、エグザマンと呼ばれるものでは、これは最初から規定の点数が決まっており、その規定の点数を取れば受験者内での順位にかかわらず合格になるものです。もう一つは、コンクールと呼ばれるもので、これは合格人数が決まっており、点数ではなく受験者内での順位により合否が決まります。
日本での例を挙げれば、90点以上取れば合格となっている運転免許の学科試験などは、エグザマンと言えます。それに対して、大学入試の場合は全体の順位に基づく偏差値によって合否が決定されるので、コンクールといえます。日本語ではどちらも試験の一言で表されていますが、実際はこのように性質がかなり異なるのです。
では、TOEICはコンクールとエグザマンのいったいどちらになるのでしょうか?TOEICの公式認定証を見ると、スコアのところにPercentile rankと書いてあることがわかります。公式認定証に書かれているスコアの読み方によれば、Percentile rankとは「あなたのスコアをある母集団の中に置いた場合に、あなたのスコアに満たない受験者が何%いるか」を示したものだそうです。ですから、TOEICはコンクールであることがわかります。
このことから何が言えるかというと、TOEICというのはあくまでTOEICを受けた人の中でのその人の順位を示すものであり、その人がその英語力を使って仕事をこなすことができるかどうかを示すものではないということです。より具体的に言えば、TOEICで測定できるのはあくまである集団における英語の偏差値だけであり、その基礎力を英語でメールを書いたり電話をしたりするといった仕事の個々の場面に応用できるかどうかは測定できないということです。
もちろん、TOEICの点数が無意味だというわけではありません。英語でメールを書いたり電話をしたりするといった技能を、TOEICの点数が高い人と遅い人のどちらがより早く身につけられるかというと、これは当然点数の高い人です。しかし、一方で、TOEICの点数だけでは、その人がどれだけ仕事のシーンで英語を使いこなせるかはわからないということもまた頭に入れておくべきでしょう。
以上のことからわかるように、英語を実際に仕事で使えるようになるためには、コンクールで必要とされる力をつけるだけでは不十分です。本当は、運転免許の試験のように、現場で必要とされる能力の基礎が見についているかどうかを測定するエグザマン的な試験があるといいのですが、残念ながら現在メジャーな試験の中にはそのようなものは見当たりません。
なので、英語を本当に使えるようになりたい方は、自分で意識してこのような能力を身につけていく必要があります。幸いにも、市販されている英語の参考書には、このような仕事で必要とされる英語力を身につけるための本が多数あるので、自分が仕事で必要とする英語運用能力に見合ったものを選んで学んでいくといいでしょう。具体的な参考書に関しては、また後日取り上げたいと思います。
まとめ
TOEICはあくまで英語の偏差値を測定するもので、英語の運用能力を測定する試験ではありません。なので、仕事で英語が使えるようになりたいのであれば、TOEICの点数に一喜一憂するのではなく、実際の仕事の現場で必要とされる英語の運用力を身につけるようにしましょう。



